幸福論remix 宗教

宮台真司bot

 話をする上で、他分野との用語のすりあわせが必要なのかな、と、こさえた自習メモ。
 門外漢にはいろいろ耳慣れぬ表現のオンパレードではあれど、 よく見ればなじみの概念が頻出する書籍 『幸福論』 をベースに。 

→幸福論remix 目次

【しゅうきょう 宗教】
  • 宗教とは「前提を欠いた偶発性」に馴致させる仕組みのことです。端的なこと、条件をつけられないこと、どうにもならない不条理を、受け入れ可能にするメカニズムの総体が宗教であるということです。
    『日本の難点』
  • 宗教とは、たとえば近代科学を徹底的に押し詰めることで露わになるような「世界の根元的な未規定性」を、いわばバーチャルに覆い隠すために、無害なものへと加工する社会的メカニズムです。
    『サイファ覚醒せよ! 世界の新解読バイブル』
  • 全体性への志向をもつと、必ず「世界」には「端的なもの(たち)」が見つかります。「端的なもの」を受け入れる場合には、無害なものへと加工して受け入れるんです。そこに宗教性が巣くう。
    『サイファ覚醒せよ! 世界の新解読バイブル』
  • 「バッシングによる排除」は最も危険なやり方です。宗教教団を「社会の外」へと排除すると、「社会」と敵対しはじめる危険さえあります。宗教史が示すように、「社会の外」であるがゆえに吸引される人々が大量に参入します。
    『リアル国家論』
  • TVのコメンテータが「こんな反社会的宗教に、いまだに若者が入るんだ」と嘆いているでしょう。馬鹿だと思いませんか。そうやってお前が「社会の外」へと排除するから「社会の中」に居場所がない若者が吸引されるんじゃないか
    『リアル国家論』
  • 宗教的な煩悶吸収装置があれば、パブリックな政治コミュニケーションに自意識が漏れ出さずに済む。だが日本には装置がない。
  • 日本人は宗教のヤバさがわかってない。自然条件の豊かさもあって、宗教が「社会のなか」で人を救うよう機能してきた日本は、現世で御利益を与えてくれる「都合のいい神」ばかりです。
    『これが答えだ! 新世紀を生きるための108問108答』
  • 結局、我々には何か突きつけてくるという宗教的存在がないんですね。つまり「自分たちはこの生活でいいのか」と突きつけてくる「疑いのエンジン」がないんです。宗教学では「超越の契機がない」と言う。
    http://j.mp/pkrgT0
  • 宗教には二種類ある
    • 第一は、前提を欠いた偶発性に対処可能な行為(マジナイや呪術〕を指し示す〈行為系〉宗教
       現世利益追求型の「幸せになりたい」的な宗教
    • 第二は、前提を欠いた偶発性を受容可能な体験様式(心や体の構え)を指し示す〈体験系〉宗教
       自己意味追求型の「ここはどこ?私は誰?」的な宗教
      • 〈体験系〉宗教は、〈修養系〉と〈黙示録系〉とに分かれる。
      • 〈修養系〉:〈世界〉のあり方は自分次第だと捉え、自分を調整しようとする(自己極大化戦略)。
      • 〈黙示録系〉:〈世界〉のあり方を宿命だと捉え、宿命の下での自らの使命の自覚を試みる(自己極 小化戦略〕。
  • 救済宗教にも癒し宗教と世直し宗教があります。霊的救済宗教と社会的救済宗教とも呼びます。癒し宗教の潜在機能はマリノフスキー流に言えば所詮世俗的な統合機能ですから、私には関心がありません。
    『システムの社会理論』
  • ユダヤ教は 「いまだにメシア現れず」。
    キリスト教は「イエスこそ唯一のメシア」。
    イスラム教は「ムハンマドこそ最後のメシア」。
  • ユダヤ教、ヒンズー教は民俗宗教
    キリスト教、イスラム教、仏教は世界宗教  マニ教も
  • 原罪を贖える(既に腰われた)と見倣すことで無害化するキリスト教
    永久に贖えないと見倣すことで無害化を回避するユダヤ教
  • 欧州は、叙任権闘争からウェストファリア条約に至る宗教的権力の囲い込みの歴史ゆえに、キリスト教的な〈個人性〉が米国ほどではない。
  • 世直し宗教/癒し宗教 宗教的世直しの不可能性と不可避性
    • 宗教者であれば、恣意的な排除と選別がもたらす悲惨を見て見ぬふりはできない。霊的救済がむしろ理不尽な体制の温存を補完するという事実に目をつぶることもできない。ゆえに宗教的世直しに乗り出すことは当然なのだ。だが、宗教的世直しは宗教的に正当化できない。
      だから「宗教的世直しの不可能性と不可避性」というアンビバレンスに耐えるしかない。
  • 現世信仰/来世信仰
  • 社会的救済/霊的救済
  • 科学が世界を説明できるようになればなるほど、宗教が要らなくなるというふうに思う人が多いですよね。でも、社会システム理論は、まったくそうは考えません。
    『サイファ覚醒せよ! 世界の新解読バイブル』
  • 社会学では「地位代替機能」と呼びますが、世の中を生きにくい人たちが、現実で上昇できない分、宗教において上昇しようとするという形で、願望をイマジナリーなものに取り替える。
    『精神医療』
  • 宗教が人を救えるのは、宗教が社会より大きいからです。
    『M2われらの時代に』
  • 宗教者は、宗教は社会よりも大きく宗教学は社会学よりも大きいと考える。社会学からすれば、そうした思考自体が社会システムの「内部イメージ」。社会学者にとっては社会は宗教よりも大きく、社会学は宗教学よりも大きいのです。
    『思想地図3』

→幸福論remix 目次



カテゴリ
リンク
サイト内検索