幸福論remix ナ・マ・ヤ行

宮台真司bot

話をする上で、他分野との用語のすりあわせが必要なのかな、と、こさえた自習メモ。
門外漢にはいろいろ耳慣れぬ表現のオンパレードではあれど、よく見ればなじみの概念が頻出する書籍 『幸福論』 をベースに。


→幸福論remix 目次 【        ナマヤ    ラワ


■ナ・マ・ヤ行■

アンカー【ナイーヴ】 ナイーブ
  • 何かを素朴に信じてしまっている人、踏み抜きや全体視から遠い人。
  • 運動に関わっている人たちがナイーヴであかん。
  • ナイーヴであるがゆえに、頭のいいネオコン的ニヒリストに太刀打ちできない。
アンカー【なやみ 悩み】
  • 悩み」と「気分」は分けて対処せよ
  • 「死にたい」やつに対しては、死にたい悩みをどうこうしてやるのではなく、死にたい気分の手当をせよ。
  • 死に向かわせるのは、悩みではなく気分。気分悩みをこしらえている。
  • 相手の「気分」を自在に変えるにはテクニカルな実践修行が必要。
    ゆえに、修行方法にこだわる小乗化がある。
アンカー【ナンパ】
アンカー【ニヒリズム】
  • 虚無主義。
    真理など存在しないとみなす立場。
  • 近代の外に出られないことを自覚できない素朴なロマンチストが、やがてギャグ的現実に気づいて幻滅し、ニヒリズムに陥るのは、よくある話。
  • こうしたパターンに陥らないためには、「真理の言葉」が自分の実践を最終的に正当化してはくれないことについての免疫が必要。
  • ネオコン的ニヒリスト
アンカー【にんしょう 人称性/人称的】
  • その考え方、前提、物語が、誰の意図によるものか、誰がこさえたのか、明らかなこと。
  • それがある特定の人(たち)によって押しつけられたものにすぎないのだと、相対化の視点を向けること。
  • 先生が言うには リーダーが言うから →特定人称性
  • 人為的人称的社会化:社会の規範を立てる側の姿が見える
  • 奪人称性 (普遍的な規範であるかのように遵守を当然視される:人称性を奪われた言説)
アンカー【ネオコン】(新保守主義者)
  • 一般的に、デタントのトラウマゆえに合議の可能性を信じない立場を指す
  • 9・11以降のネオコン的振る舞いを肯定するギデンズウォルツァーリベラル派論客の言説
  • 人びとを慰撫(いぶ)する現状や都合のいい過去を総動員する一方で、人びとを不快にしアイデンティティを脅かす決定的な過去については、人びとの不安につけこんで道徳的に無効化し、現実に居直る。
  • 「頭の良いネオコン
    • 合議の可能性を信頼させながらの恣意的誘導を企図
    • 自由と民主の枠の逸脱を不可視化させる
  • 「頭の悪いネオコン
    • ただちにゲバルトをもち出す
    • 自由と民主の枠の逸脱を可視化させる
アンカー【ネオコン的ニヒリスト】
  • ナイーヴな運動家はナイーヴであるがゆえに頭のいいネオコン的ニヒリストに太刀打ちできない。
    そんな異議申し立てじゃあ効きやしない。
  • 「どうせ世界はこんなもの」だと気づいてしまった「頭のいいニヒリスト」に対して、「マイノリティの自由は大切である」というような従来の道徳的な言葉は、完全に無力。
  • たとえば環境問題は、ネオコン的ニヒリストにとっては、主義の問題以前の趣味の問題にすぎない。
  • ニヒリズム
アンカー【ネオ・トックヴィル主義】
アンカー【ネタ】
  • ネタ(作為)に対し →ベタ(自然)
  • 日本のアニメが広がるからじゃなく、グローバル化が進むから、「国内的格差」は「国外的格差」によって相対化され、ネタ化される。「クラス・エスニシティ・ナショナリティ・ジェンダー…はネタでしょ」という話に、どのみち近づかざるを得ない。 『ゼロ年代のすべて』
  • 『エヴァ』は直前までのロボットアニメ状況に対する観察です。『ハルヒ』は『エヴァ』に始まるセカイ系アニメ状況に対する観察です。『コードギアス』は『ハルヒ』に始まる高度ネタ化状況≒バトルロワイヤル状況に対する観察です。『ゼロ年代のすべて』
  • プログレが最高だと言ってたスノッブたちが、1976年にイーグルスの「ホテルカリフォルニア」でロックの終焉を宣告されたあと、歌謡曲にシフトして「わかる奴にしかわからない」ネタ的コミュニケーションを始めた。 『思想地図vol.3』
  • ベタからネタへ」=全体を部分に対応させつつ全体を志向すること
      → 普遍主義の不可能性と不可避性
アンカー【ネオリベ】 ネオリベラリズム neoliberalism 新自由主義
アンカー【ノイズ】
  • 自分側の世界観・価値観にはいない者。
    自分側の整合性をおびやかす者。異なる規律で動く者。
    よそもの、他者、異質な存在。
  • 感情的安全 →免疫、ノイズ耐性
アンカー【ノージック】ロバート・ノージック
  • 正義の権原理論
    • 獲得の正義に従って保有物を獲得する者は,その保有物に対する 権原をもつ
    • ある保有物の権原をもつ者から移転の正義に従ってその保有物を得る者は,それに対する権原をもつ
アンカー【のうみつさ 濃密さ】
アンカー【ノブレス・オブリージュ】
  • 「貴族の義務」、「高貴な義務」
    一般的に財産、権力、社会的地位には責任が伴う事を言う。 〜ウィキ
  • 特権には必然的に(特権のない者のめんどうを見る)責務が伴うものだとする。
    根本的に「優劣」を前提にした、東洋文化圏には縁遠い概念。
  • 公民
アンカー【まいぼつしゃ 埋没者】
アンカー【まつり 祭り】
  • 感情ゲーム
  • どんな「祭り」も、非感情的に設計されたものである可能性はぬぐえない
アンカー【まさつ 摩擦抵抗の低いコミュニケーション】
アンカー【マスメディア】
アンカー【マナ】
  • メラネシア語で「人間の平常の力を超え、自然の通常の過程の外にあって、あらゆるものに効果を生じさせるもの」(コドリントン『メラネシア人』)
    宇宙に濠る何か超自然的で神秘な力であり、森羅万象のなかに自由に出入りしてそれを背後から作動させ、生気づけるものであり、人間や自然物、自然現象を通 じて啓示されるもの

      〜 山内昶『もののけ1』法政大学出版局
  • 日本語の「もの」をはじめとして、世界各地に偏在するマナの例は、 山内昶『もののけ1』法政大学出版局p.93〜にふんだんに挙げられている。
  • レヴィ= ストロースのマナ分析
アンカー【マルクス主義】
  • 気分としてのマルクス主義の全盛時代のあと、気分としての構造主義やポスト構造主義が出てきて、時代遅れの気分に対する解毒作用を果たした。
アンカー【まるやま 丸山眞男】
  • 「民主政は実践の永久革命だ」
  • 民度の低さ=人の良さ を、丸山眞男は「作為の契機の不在」と表現。
アンカー【みっきょう 密教】 
  • 顕教
  • 隠されていた正しい理論的認識。
  • エリートの一部が保持占有していた密教
  • われわれ幸福へと向けた社会設計は原理的に不可能。
    公正・平等原則に反しない「社会設計」はありえない
  • 普遍的に正当化できる境界線の設定は不可能だが、境界線の設定は不可避。
  • 規定可能な形では伝達できないという本質的問題があるかゆえに、「人を見て法を説け」というゴータマ・シッダールタの言があらざるをえない。
  • 全ての社会は、恣意性を覆い隠す正当化装置や正統化装置をもつ。
  • エリートたる者は近代の外に出られないことを徹底的に自覚せよ。
  • 金剛密教
アンカー【ミメーシス】(感染的摸倣/擬態)
  • 公民 →特定人称性 →感情的動員
  • 他者の期待や行為を、期待に応える形で模倣的に再現すること
    すごい尊敬できる先生であるさまを保って、教導する 
    すごい目標であるべきあこがれの存在としての姿を、達成し続ける
  • 周囲に「感染」を繰り広げるスゴイ奴は、必ず利他的。利他的な人間の「本気」に「感染」させろ
    カリスマ性、 美学、 ロールモデルヘの同一化動機の喚起
    • 昔は「本気」で聞かなければ生きていけなかったのが、「本気」で聞かなくてよくなった。本気の対話の衰退
  • 初期ギリシア的な意味での教育は、自己陶冶を遂げて自立した者が周囲に及ぼす感染的摸倣であった。
  • ルーマンは、ミメーシス優位の社会を、言語と動機づけ装置とが融合した社会として記述する。
    プラトン以前のアテネは、文字が普及せず、娯楽も教育も伝承も、舞踊と朗誦という身体性優位のミメーシスを用いた。無文字社会はどこも同じである。
  • 言語と動機づけ装置が分離したのはエクリチュール(書かれたもの)が普及したがため。 記憶外部化の可能性を高めた結果、期待外れに対処するための「否定の図式」が発達し、ミメーシスは後景へと排除されていく。
  • 人から人への感染を及ぼしうる者だけが全体性へのアクセスの資格を得る。
    • 「感染動機」
      「スゴイ」と思う人がいて、その人のそばに行くと乗り移られて、その人のまねをしてしまう、「感染」する。映画のヒーロー、恩師、師匠、大先輩、偉人・・・
  • 等身大のパターナリズムを有効に機能させるためのミメーシスは、どうすれば広く実現できるか。
  • 『シリーズ物語り論 1 他者との出会い』  p.55
    森岡正芳
    『「ミメーシス」というのは美学の理論からも随分いろんな考え方があるようです。これは単なる模写ではないんですよね。クリエイティヴ(創造的)な動きも含めた意味での模倣です。これが我々のやっていることとかなり近いのではないかということで「ミメーシス」という言葉を導入したわけです。』
  • 人権とは何かについての教義学的問答より重要な、誰をヒトとして見做すのかを巡る恣意性の問題は、感情教育というミメーシス(感染的模倣〕抜きには超えられない。
アンカー【みんど 民度】
  • 問題があればプラットフォームを要求し、それを維持していくための意志をもつこと。
  • 私たち日本人は、近代的な社会制度が前提としている常識(コモンセンス)を持っていない。私が最近「民度が低い」と繰り返すのはこのことで、抜本的改革は教育に託する以外にありません。 『自由な新世紀・不自由なあなた』
  • 「長期的な民度の上昇を図るための、短期的には(ある程度)非民主的な決定を是認する」か、「あくまで教育プログラムの民主的決定にこだわり、民度の低さを放置(して沈没)する」か。ぼくは前者の立場をとります。『幸福論』
  • 日本では民度の低さが国民全体を覆っているので、統治する側と統治される側を截然と分けがたい。『幸福論』
  • 日本はアメリカほどは過剰流動的でないだけでなく、近代社会としての民度、とりわけエリートの民度が、アメリカよりも相当に低い。 『「麻原死刑」でOKか?』
  • 「理屈はそうだけど…」という俗情が人々を支配しがちですが、腑に落ちなくても理屈にちゃんと従えるような徹底した規律訓練が健全な民主制の継続にとって必要なことです。だから私は「民度」という言葉を使います。 『バックラッシュ!』
  • 日本的に美化される人間学「信じやすさ」や「素朴さ」は、近代社会の維持には不都合。
  • 民度が低い:つまり人が良いからこそ、人の良さを最大限生かしたソーシャル・デザインが遂行されるしかなく、民度の高いエリートが要求される。
  • 我々が愚かであれば、民権化や分権化によってむしろ社会はダメになります。その可能性が日本は多大にあります。民度の上昇を真剣に目指さなくてはいけない。『「脱社会化」と少年犯罪』
  • 日本は、検察が起訴すると99%が有罪になる馬鹿げた国です。令状発行に際する裁判所のチェック機能もほとんど働かない。国家性悪説どころか、儒教的な国家性善説が流通する国です。その意味で、民度の低いダメな国です。 『憲法対論』
  • [エリート/民衆]の二項じゃ足りない。マルチレイヤー(多層)のレイヤーごとに必要な民度を確保せよ。『幸福論』
  • 社会の民度が上がらないと学会の民度は上がらない。だから今は、社会に向けて発言しているわけですよ。『M2われらの時代に』
アンカー【めんえき 免疫】 ノイズ耐性
  • 異質性(ノイズ)に耐えられる能力 →耐性
  • 価値観・意味世界(物語)が異なる者を拒否・排除してすますのではなく、うまく処し遇する能力。
    多様性泥沼)に耐える能力。
  • 言語ゲーム →エリート →知る/知らない
  • 泥沼に耐え、視座の輻輳を観察するもう一つの言語ゲームの視座を取ることができる者は、ソーシャル・デザイナーの座に上昇する資格を持ちうる。
  • 泥沼免疫がない者、見抜いていない者、呑まれつぶれる者は、有能なソーシャル・デザイナーと渡り合えはしない。
  • 「コレが正しい/誤った思想」「コレが幸せな/不幸な生き方」というメッセージを真に受ける訳にいかない日本的空間においては、免疫を獲得したコミットメントが要求される。距離化総体への距離化をもってして根源的な未規定性へと開かれるための、観照的態度。
    そこでは、「コレこそが幸せだ」とするベタも、「幸せなど幻だ」とするベタも、双方拒絶されなければならない。
アンカー【ものがたり 物語】
  • ナマの情報をふるい分け変形させて、むりやり意味を単純化させるフィルタ。
    編まれた意味枠。
  • 意味」の回路。
  • 第三者の審級=物語

  • → 大きな物語

『シリーズ物語り論 1 他者との出会い』 宮本久雄, 金泰昌 (編さん)  東京大学出版会 (2007/02)
『シリーズ物語り論 2 原初のことば』  宮本久雄, 金泰昌 (編さん)  東京大学出版会 (2007/03)
『シリーズ物語り論 3 彼方からの声』  宮本久雄, 金泰昌 (編さん)  東京大学出版会 (2007/04)

アンカー【モンスターペアレンツ】
アンカー【役割】 社会学の役割概念
アンカー【役割理論】 役割期待・役割取得・役割葛藤・役割距離・役割演技など
アンカー【ユビキタス】
  • めっさテクノロジー化していくこの世界。
  • スマート化やユビキタス化:「見たいものしか見えない」という方向を目指すテクノロジ。
  • テクノロジーが「この社会に意味がない」という感覚を加速させる
  • 「スマート化」必要だが危険=危険だが必要
アンカー【ヨーロッパ、イギリス】
アンカー【よきりろん 予期理論】
  • 何事も「そう見える -- 期待できる」という水準で議論。
  • 内的融合が愛なのでなく、内的融合があると見えるときに愛があるとされる。
    内的合致が理解なのでなく、内的合致があると見えるときに理解があるとされる……。
    内的融合や内定合致の有無は検証できないし、検証の必要もない。
    見えれば、思えれば、いいだけ。
  • こうした理論はシニシズムだと見られ、不人気。
    それは残念だな、という、ルーマンのシステム理論と共有するペシミズム。
  • これからは予期理論的な社会観がますます必要になる。
アンカー【よしもと 吉本化】
アンカー【ヨナス】  ハンス・ヨナス
  • 『責任という原理』という本のなかで、いま問題にすべきなのは、われわれが、われわれ自身の力を恐れること。
  • 人間がもっている、自然を超える力をどうやって畏怖するか、畏怖する感情的プログラムをどうやってもう一度注入するか。
アンカー【よんきのう 四機能】  音楽コミュニケーションの四機能
  1. シーンメイキング機能:音楽をかければ空間がオッシャレーなシーンに早変わり
    • 1990年代半ばまではベタにいたが、今は完全にバカ扱いされる。
  2. 関係性提示機能:「これってアタシ」自分や周囲の解釈ツール
    • 承認要求が強いがゆえの不全感に苦しむ自傷系やひきこもり系に親和的。
  3. 究極お耽美(たんび)機能:「異世界」現実逃避ツール
    • 社会的退却の方向に行きかねないところを、異世界提示ツールのおかげで擬似的な共同体を形成し、酷薄な流動性をやりすごしている。
  4. ネタ機能:「どうせおいらは」的な韜晦(とうかい)にもとづく「楽屋落ち」。オタク的コミュニケーション・ツール

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