幸福論remix タ行

宮台真司bot

話をする上で、他分野との用語のすりあわせが必要なのかな、と、こさえた自習メモ。
門外漢にはいろいろ耳慣れぬ表現のオンパレードではあれど、よく見ればなじみの概念が頻出する書籍 『幸福論』 をベースに。


→幸福論remix 目次 【        ナマヤ    ラワ


■タ行■

アンカー【だいさん 第三項/第三者】 
アンカー【たいせい 耐性】 耐える/耐えられない
  • 酷薄な流動性をやりすごすための解決ツールは1990年代以降ほとんど提示されていない。
  • 1990年代末になると「耐えられない人のリアリティ」が前面に出てきた。
    ある時点で「もういいです、脱落します」といって耐えられなくなった人たちが多数出現。
  • 意味の果て」という話は苦しい。単純に普通の人は耐えられない。
  • 免疫
アンカー【たごさく 田吾作】 
  • 田吾作というのは、真理や知識が意味を持たず、従ってどこにも大ボスがいないにもかかわらず、空気に縛られる存在のことです。
    『愚民社会』
  • 60年代後半から馬鹿左翼が跋扈したせいで「結果の平等」に傾斜し、「愛に基づく設計」を志すエリートの足を引っ張る、浅ましい田吾作が量産された。
    『ナショナリズムの作法』
  • 日本のごとき無条件の格差社会批判は、自分と他人とが同じでないと気がすまない「田吾作病」です。
    田吾作病」が、無条件の格差社会批判と同様、多様性フォビアをもたらしています。
    『バックラッシュ!』
  • 「勉強ばかりをシコシコやって、ほかは何もわからない、他人と満足なコミュニケーションもできない、ただ偏差値が高いだけの利己的なバカ(以前から僕はヤツらを「勉強田吾作」と呼んでいます)」
     〜 『きみがモテれば、社会は変わる。』
  • エリート主義を邪魔する「田吾作平等主義」 →東大系
    • 突出した能力を持った規格外の人間の存在を許さない、結果的な平等を主張する民主主義。
    • 日本的学校化と表裏一体。
    • 日本の場合、ヨーロッパのような階級文化の歴史も、アメリカのような移民社会の現実もない。
      だから誰のスタートラインをどの範囲で揃えるのかに合意できず、いきおい神経質な機会の平等主義に陥りやすい。
  • 「嫉妬する勉強田吾作」=エリート層に入れずルサンチマン(妬み)にぐずぐずのたうつ二流三流の連中。
  • ハイパー・メリトクラシー空間は、エリートの傍らに「嫉妬する勉強田吾作」を量産する。
    • 「嫉妬する勉強田吾作」の量産を緩和するために、彼らの感情的安全を保つ装置(地域集団を含め、オルタナティブな所属意識を可能にする集団)をデザインする。
    • 早くからエリート校志望者には、勉強だけではエリートになれないことをわきまえさせる 【インテリジェンス】 →資格授与
    • 「そこに入れないバカは身のほどを知れ」「そこに入れない人間は何をやっても無駄だ」というメタ・メッセージを送る
  • 「嫉妬する勉強田吾作」の量産を緩和するもう一つの方法は、エリート校志望者に早くから『グロテスク』読書体験を与え、勉強さえできればわたれるほどエリート界隈が甘くはないことをわきまえさせ、自己陶冶を始めてもらうことです。
    『幸福論』
  • 奪人称性 →ハイパー・メリトクラシー →ヘタレ
アンカー【たしゃ 他者性】
アンカー【たじゅうきぞく 多重帰属】
  • どの島宇宙に帰属するかを「選べる人」と「選べない人」
  • 島宇宙を並べる営為自体がもう一つの島宇宙になる。
    全体としては縦横を論じられない「言語ゲーム的状況」。
アンカー【たたずむ 佇む】
  • どんな死に方が幸せか?ぼくの答えは「〈社会〉に関わって生きてきたこと自体を福音だと感じながらも、〈世界〉の中に直接たたずんで死んでいくこと」。幸せな出来事も不幸な出来事も、不思議な影絵のようだと感じながら、〈世界〉に帰ろう。
アンカー【だつこうちく 脱構築】
アンカー【だつしゃかい 脱社会化】
  • 脱社会化」とは、精神医学でいう「人格障害」の概念を社会学の側から言い換えたもの。
    精神障害ではないのにマトモではない、「感情の働き」が当該社会に沿っていない、壊れている状態。
    そも、標準的な「感情の働き」は時代や文化によって変わるものであり、「脱社会的」は当該社会の内側だと考えられているあり方から外れているというだけの意味。
  • 「社会化と脱社会化」あるいは「参加と離脱」が、差異を構成できない状態になること。
    「どう違うんだよ」
  • 「生きても死んでも別にいいや」
  • →   →金剛密教
アンカー【だつしゃかい 脱社会的存在】
  • イエスは、〈社会〉を突き抜けた脱社会的存在だ。だから本来、極悪人にも極善人にもなり得る。だからこそ、イエスは「極」善人として振る舞えたのだ。
    『「世界」はそもそもデタラメである』
  • 社会(システム関与)から離脱したいという願いを抱えた者
    その願いが感覚的にわからない存在もいる:浅田彰、大塚英志
  • 「死のうが生きようが大差ない」という気分を理解できるのが成熟社会
    だから、サブカルチャーを通じて、そういう気分を再帰的に顕在化することが大切。
  • → 
  • 脱社会的存在が生まれないように、事実的に存在するシステム定常にコミットメントする
    ローティの感情教育
  • すでに事実的に存在する脱社会的存在に対しては、殺すか、隔離するか、いずれにせよインディファレント化(無関連化)するしかない。
  • 結局、実践する者しか −− 正確には実践する者が救おうと思う連中しか −− 「人」として救われず、残りは「もの」として切断される小乗
    脱社会的存在が遺棄されるのは、結局はしかたない。
  • 端的な事実性という臨界を見きわめる動員者は、実は脱社会的存在と遜色なくなる
  • 既に他者との交流とは無関係な場所に尊厳を樹立してしまった「脱社会的存在」に、人を殺さずにいてもらうには、どうしたらいいのか。アメリカでは既にそうしたことが探求課題になっていますが、日本ではそういう問題意識がほとんどありません。
  • 私はこれまでにも「脱社会的存在は批判できない」と繰り返し書いた。〈生活世界〉を〈システム〉へと置き換えた昨今の社会は、かつてと違い、人々が脱社会的なままでも回るように変貌しているからだ。
    『こころ「真」論』
アンカー【だつにんしょうせい 奪人称性】=非人称性:自明性
アンカー【たましい 魂】 
  • 「魂」の問題:
    万人が再帰的に覚醒することはありえない。
    かといって実践者と非実践者の差異、実践者のなかにある動員者と被動員者の差異という、端的な事実性を、万人が忘却するわけにもいかない。
アンカー【たようせい 多性様】 
  • 流動性によって多様性がなくなってしまうことを理解できる感受性があなたにはありますか?」
  • 流動性がある閾値を超え、流動性と多様性が両立しえなくなると、人々の感受性は二つに分岐する。
    • 多様性を切り捨てて流動性を重視:ネオリベラリズム
      異質な存在を排除、監禁、重罰化する傾向。
      サッチャリズムやレーガニズム。
    • 流動性を抑制して、多様性を護持せよ:リバタリアニズムやコミュニタリアニズム
      欧州主義、亜細亜主義、マルチカルチュラリズム…
  • 流動性や収益価値を重視するのか、多様性や共生価値を重視するのか
  • 多性様フォビア
アンカー【たようせい 多性様フォビア】 
アンカー【たんでき 耽溺】
アンカー【ちいきしゃかい 地域社会】
アンカー【ちしきじん 知識人】
アンカー【ちょうてい 調停】
  • 発生している対立を、相対主義の視点から、第三者として「こうしたほうがいいのではないか」と調停の提案をすること。対立の利害の外から、アドバイスをする。
  • 「〜〜であるならば、**したほうがいいだろう」 →if-then文
  • 美学としてのゲームプレイ
アンカー【ちょくしん 言説の直進力】
  • コンテクスチュアリティ(文脈依存性)を片端から暴かれ、空間を直進する力/ベクトルを失ってしまう言説
    それでも直進力を与えるためには、どういう工夫をすれば良いか。
  • 民主主義こそが言説の直進力を担保すると見るがゆえ、「あえてする近代主義者」(ex.ハーバーマス) は、「合意」概念をもち出す。
アンカー【てきおう 適応/適応力】 
  • 平凡化
  • 適応」としての「社会化」/「適応力」としての「教育
    「社会化=適応」よりは「適応力」が「教育」の本質
  • 前提を供給し合う循環
    • 「疑いつつ適応せよ」(適応力主義)
    • 「疑うにも適応基盤が必要」(適応主義)
  • ベタな「適応」に対し、「適応」の自明性を疑うのがメタな「適応力
アンカー【でぐちひろし 出口汪】
アンカー【テクネー】
  • テクネー:自然界に隠れているものを能動的にあばく方法
  • ポイエーシス:自然界から湧きあがる力を受動的に受け止めていく道
アンカー【デザイナー(設計者)】
アンカー【デプス】(深み)
  • 「不可視なものが、見えるものを規定している」という感覚。
    一九世紀的な「潜在性の思考
  • 60年代以前:
    社会には目に見えるよりも深いデプス「世界の謎」があって当然だった世代。
  • いまの若い連中には「大人になるにつれてデプスが見えるようにならないと、バカを見る」という感覚がない。
  • 世の中をうまく渡ること →セカイ系 →世代 
アンカー【テレビ TV】 
  • ご存じのように僕はテレビをまったく見ないんです。一週間に一分も見ません。37インチのテレビを買ったんですけれども、放送ではなくて、DVDとビデオを見ているだけですね。あえて見ないのではなくて、見る気がしない。『ネット社会の未来像』
  • みんなテレビを観なくなったから、ラジオとネットの番組だけでターゲット層へのポピュラリティを維持・増強できる。テレビに出てなんぼという大枠は変わらないが、出なくてもターゲット相手の仕事はできる(笑)。 『ナショナリズムの作法』
  • 欧州や米国のテレビ局では、番組が扱う分野に学会動向や海外動向を含めて精通したリサーチャーを抱えているのが当たり前で、ディレクターやプロデューサが数週間取材するだけでは到底追いつかない専門性を発揮するのです。 宮台真司
  • メディア
アンカー【てんとう 転倒】 
アンカー【てんのうせい 天皇制】 
アンカー【とうぎ 討議 闘技】
  • 討議のフィールド(=アゴーン
  • 全員討議/資格者討議
  • 合意を最大多数の最大幸福という文脈で議論するのではなく、全員が、どこまでも全員が、ある種の問題設定に関して合意に至れると「思えるか」が重要。
アンカー【とうぎょろん 統御論的な議論】
アンカー【とうだい 東大系】
  • 京大系
  • 「学びの共同性」系列の議論。
  • 田吾作平等主義」を前提として俗情に媚びてきた東大系の連中が、教養を欠いた教育批判を、さももっともらしくぶっている。
  • 格差批判を通じて過剰な「機会の平等」を主張する。
    過剰な「機会の平等」は「結果の平等」に堕す。
  • 万人向けの公的教育護持:日本の教育は一枚岩的な従来型プラットフォームを守るべき。
アンカー【どうぶつ 動物化】
  • 東浩紀氏の用語。
  • 自分の欲望に忠実で、他人に影響されず、しっかりと自己決定する。が、その自己決定の実態は、データベースのなかにある情報的な分身=履歴情報との往復運動でしかない。その過程に、超越論的な自由は入る余地がない。
  • 厄介な「意味」の回路(→物語)を介さずとも、技術的にさまざまなコミュニケーションが可能になってきたという状況を念頭に置いて言う。
  • 意味」をはずした「強度」には、差異を調達するためのリソース「濃密さ」が不足し、「飽き」に至る。
アンカー【とくていにんしょうせい 特定人称性】 
アンカー【とくめい 匿名的コミュニケーション】 
アンカー【トタリテート】(全体性)  
  • 全体性
  • 宮台真司関係の一部でしか使われていない語 〜マンハイム由来
    日本では丸山真男がマンハイムから大きな影響を受けている
     〜ウィキ
アンカー【トックヴィル主義】 ネオ・トックヴィル主義
  • ex.ヒラリー・クリントン
  • 近代固有のリスク
    • 平等という要請から社会が分解され、社会的個人が原子化する。
    • 自由の要請から規範消失、価値相対主義へ
  • トックヴィル主義
    • 共同体のなかの既存の紐帯に着目し、強化したり回復したりしようとする
    • 紐帯は、外圧によっては作り出せない、とみなす
    • 『トクヴィル 平等と不平等の理論家 』宇野 重規  講談社 (2007/6/8)
  • ネオ・トックヴィル主義
    • 再帰性の観点に立って、紐帯そのものを作り出そうとする。
    • 頻繁なタウン・ミーティングや教会の奉仕活動への参加の奨励
    • 地域に密着した物々交換経済の促進
    • 情報交換的・討論的なフォーラムの展開
  • 紐帯の創造というよりは、紐帯によって大衆的感情を沈静化し私的利害を調整する中間集団によって市民社会を埋めようとするフィールグッド化
アンカー【トリックスター】 
  • 奪人称性
  • 異邦人  →第三者
    • 共同体の(再)建設時には利害の超越者として歓迎される
    • 建設後には政体の正当性を脅かすものとして排除される
  • 異邦性の排除を含む建国の物語を、「真理の言葉」として読み替えることで安定した統治を実現する方法論。
アンカー【どろぬま 泥沼の再帰性】 
  • 底が抜けた状態。自明性が崩壊した状況。 「全て恣意的だから何でもあり」
  • → 再帰性
  • アノミー化する(途方に暮れて混乱する)。 
  • 相対性を踏み抜き、どこにも真理たる真理はないと見抜き、立場としてのよるべをなくした状態。
     → 踏み抜く
  • どの言語ゲームが優越するかを相対的に論じる行為も、もう一つの言語ゲームでしかないという、無限後退構造。
  • 「この社会に意味がない」という感覚をテクノロジーが後押ししている。
  • 多様性フォビア
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日本的想像力の未来 クール・ジャパノロジーの可能性

宮台真司bot

社会学2010年 

『日本的想像力の未来 クール・ジャパノロジーの可能性』


 
宮台真司 著作●→子ども対象の「かわいい」という言葉が、成熟した身体にも使われるようになるのは1969年のことです。きっかけは『マーガレット』連載の『おくさまは18歳』のヒットでした。

宮台真司 著作●→70年代、メディア上での「性の解放」の氾濫に困惑しアノミーに陥った少女たちが繭籠りのツールとして「かわいい」を利用したのが、「乙女ちっく」でありイラストポエムや交換日記です。

宮台真司 著作●→「かわいい」という概念の取り込みで「性」が関係性から記号へと変じ、入替可能な「何でもあり」になった。こうした「何でもあり」を背景にして、90年代のブルセラや援交が出てくる。

宮台真司 著作●→「かわいい」コミュニケーションによる社会的文脈の無関連化こそは、「現実の虚構化」の出発点でした。

宮台真司 著作●→全面フラット化後、96・97年から、「虚構の現実化」を行なう島宇宙の内部に、フラクタルのように再度「虚構の現実化(セカイ系)/現実の虚構化(バトルロワイヤル系)」という差異がコピーされたわけです。

宮台真司 著作●→「かわいい」の歴史をお話ししたのは、「日本的なサブカルチャー」の流れの、最初期の段階に、「乙女ちっく」的な「かわいい」があることを述べたかったからです。

 〜 宮台bot Twitter 宮台真司bot




『日本的想像力の未来
 クール・ジャパノロジーの可能性』

 日本放送出版協会
 



atプラス 思想と活動 05

宮台真司bot

社会学2010年 

『atプラス 思想と活動 05』
 特集 コミュニティへの構想力


 
宮台真司 著作●→「現実など所詮はその程度」と構えて前に進むのが普通になった。かけがえがないと思ったものも結局は反復に過ぎないという指摘が、今は、衝撃を与えない。現実が与える期待外れに対して免疫化が進んだ印象です。

宮台真司 著作●→実験的にツイッターでナンパのやり方についてツイートを連投しました。反発があると期待したのに肯定的な意見だらけ。10年前なら考えられません。

宮台真司 著作●→通過儀礼への要求は続いているけれど、少し以前とは違うステージに入ったと感じます。昔であれば引きこもりは引きこもりに見えたけれど、今は引きこもりに見えない人が心的には退却している。そういう時代です。

宮台真司 著作●→人が思考に値すると思うものの大半はパターンの組み合わせに過ぎず、真に思考に値するものはほとんどない。

 〜 宮台bot Twitter 宮台真司bot




『atプラス 思想と活動 05』
 特集 コミュニティへの構想力
 太田出版
 


幸福論remix 天皇制

宮台真司bot

 話をする上で、他分野との用語のすりあわせが必要なのかな、と、こさえた自習メモ。
 門外漢にはいろいろ耳慣れぬ表現のオンパレードではあれど、
よく見ればなじみの概念が頻出する書籍 『幸福論』 をベースに。 

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【てんのう 天皇制】
  • 天皇制という言葉は共産党が作った言葉です。私は天皇制の歴史的変化を追う作業をそれなりにやっています。
    『歴史の中のサンカ・被差別民』
  • 最大の問題は、「天皇の政治利用」をいかにしてやめるかです。それは「私益のために公益を騙る輩」に騙されないために必須、かつ「愛国の体をなさぬ国粋」へと堕落しないために必須です。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』

 

【天皇制 機能】
  • 同じ前提を共有するかどうか定かではない者同士が、特殊なシンボルを共有することで「同じさ」を演出し、「同じさ」の圧力に服する -- これを「草の根の天皇制」という。
    『天皇ごっこ』
  • 近代天皇制には「忘却と融和の装置」としての側面があります。天皇の祝福を受けた者たちとそうではない者たちという区別を設けることで、祝福を受けた田吾作たちを等し並に横並びにする機能を果たします。
    『歴史の中のサンカ・被差別民』
  • 「近代天皇制」は「同じ臣民」「天皇の赤子」というシンボリックなファンタジーによって、言い換えれば「日本人」というフィクショナルな共同性によって、失われゆく村落的共同性を埋め合わせる機能を果たした。
    『まぼろしの郊外』
  • 鎌倉時代以降、体制が根底から変わっても、天皇を立てて「国体は変わっていない」とする。つまり虚数的なものを持ち出して不変性を納得してきました。
    『民主主義が一度もなかった国・日本』
  • 本来なら渾身の思考によって「愛国」の本義を示すべき首相選出が、単なる茶番に堕している体たらくは、国会が指名し天皇陛下が任命するという「田吾作による政治利用」抜きにあり得ない話です。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 天皇には、首相に公務があるような意味での公務はありません。天皇に国事行為をお願いすることが憲法を通じて統治権力に「認められている」のであって、天皇が国事行為の義務を負うわけじゃない。
    『天皇と日本のナショナリズム』
【天皇制 機構】
  • 皇室はヨーロッパの王室と違います。日本の天皇制は立憲君主制だったことはありません。ヨーロッパの王室は俗人であり、立憲君主制は俗人王にしか適用できないからです。
    『天皇と日本のナショナリズム』
  • 天皇を日本国民と考えれば、矛盾の嵐でとても正当化できません。日本国民でないと考えないと、日本国憲法はまともに読むことすらできない。実際、基本的人権の大半がないんです。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • [天皇には]基本的人権の大半がないんです。日本国民の範疇に入っているとすれば、到底許されない。しかし、それでいいと日本国民が考えているのです。驚くべきことです。それが、現に生きられる憲法意思です。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 天皇や皇室に基本的人権がないことを、国民の大半が意識しません(意識しないことも含めて憲法意思です)。なぜ意識できないのかと言えば、それは近代天皇制が「田吾作による天皇利用」の装置であることに関係します。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 天皇や皇室はそもそも「貴賎カテゴリー」ではなく「聖穢カテゴリー」に属します。それは日本社会のルーツにあるシャーマニスティックな構成に由来します。
    『天皇と日本のナショナリズム』
  • 環節社会で聖的存在だった天皇は、階層社会で「頂点かつタブー」になるが、それは聖なる存在だった娼婦が「最下層かつタブー」になるのと類比的である。
    『天皇ごっこ』
  • 天皇はわかりやすく言えば、桜と同じなんですよ。でも、だからこそ、驚くべきことなんです。
    『サイファ覚醒せよ!』
【天皇制 企図・明治維新】
  • 近代天皇制とは、統治権力の中枢にいた必ずしも天皇を尊敬していない人間たちが、動員装置として作り上げた不敬なアーキテクチャーです。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 近代天皇制こそまさしく、近代の遥か手前にいる「田吾作」たちを、国家レベルで祭り的に動員するために、松下村塾系ないし岩倉使節団系の連中が、ありったけの知恵を絞って考案したシステムです。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 明治の開明派は、田吾作をムラから引きずりだして国民化するために「天皇が臣民を思う気持ちは父が子を思う気持ちと同じ」「臣民が天皇に報いるのは子が父に報いるのと同じ」という親子モデルを流用しました。
    『天皇と日本のナショナリズム』
【天皇制 企図・戦後】
  • 天皇が自発的に辞めると言いださないように、天皇の次期後継候補に責務を刷りこむプロセスがいわゆる帝王学。帝王学を授けるのは皇室の方々ではなく、宮内庁の役人や宮内庁が選んだ学者や識者が授ける。
    『天皇と日本のナショナリズム』
  • アメリカが天皇制を残したのは日本人に「歴史=物語」を忘れさせるためです。それを僕は以前から「忘却と融和の装置」と呼んできました。 http://is.gd/eEqVR
  • 戦後になって初めて「天皇陛下の下で仲良く平和に暮らす日本国民」というイメージが、ベタに抱かれるようになった。それこそは、アメリカが日本を研究し尽くした上で立てた、日本人から復讐の牙を抜くための占領戦略の帰結です。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 僕たちの民度があまりに低いので、「天皇陛下が近代化を望んでおられる」というスキームで動員を図らないと、近代化の早期達成は無理だったのは確かです。福沢諭吉もGHQもそう思った。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 敗戦後、唯一の「よきもの」である天皇が後景に退いた結果、日本に存在するとか、日本でコミュニケーションするということが、どんな「よきもの」とも関係ない、単なる砂を噛むような事実性に頽落しました。
    『天皇と日本のナショナリズム』
  • 空気が一変するとモードが切り替わります。敗戦後の僕たち日本人は空気の一変によって天皇主義モードから民主主義モードになったのです。間違っても天皇主義者から民主主義者に転向したのではありません。
    『IT時代の震災と核被害』
  • ゲームはいつかは変わるんです。今までも、維新後に「羽織袴」のゲームから「洋装」のゲームに変わり、敗戦後に「天皇陛下万歳!」のゲームが「マッカーサー万歳!」のゲームに変わってしまったように。
    『民主主義が一度もなかった国・日本』
【天皇制 状態】
【天皇制 尽力】
  • 象徴天皇制がシステムとして回っているように見えるのは、天皇が事実的に政治的発言を控えておられるからであり、制度があるからではなく、陛下の御意があるから回るのが、象徴天皇制だということです。
    『天皇と日本のナショナリズム』
  • 準公共的に慰霊するべきA級戦犯を公共的に慰霊してしまっては、A級戦犯が悪かったという国際的虚構による手打ちが台無しになる。だから天皇陛下はすべての事情を知りながら参拝を控えておられるのです。
    『中国 隣りの大国とのつきあいかた』
  • 僕は、いまのような天皇制を長続きさせることは、天皇と皇族の方々への負担が重すぎるという意味で、やはりできないと思っています。
    『天皇と日本のナショナリズム』
【宮台真司】
  • 僕が生まれる前に事故死した生物学者の祖父が長らく御進講さしあげていた昭和天皇について、[父母や祖母から]沢山の話を聞くことができました。
    『憲法対論 転換期を生きぬく力』
  • 僕はずっと理科系志望でした。親族がみんな理科系だったし、たまたま祖父が天皇陛下(昭和天皇)に生物学を講じる学者で、自分も生物が好きだったからその跡を継ごうかとも考えていました。
    『美しき少年の理由なき自殺』
  • 私の師匠で骨の髄まで天皇主義者である天才社会科学者・小室直樹の囁きが、頻繁に脳内に響くようになってきた。「宮台君、理論的に考えてみたまえ。日本で世直しを追求するなら、天皇主義以外はありえないのだよ」と。
    『天皇ごっこ』

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