徹底討論 私たちが住みたい都市
● 2006年
『徹底討論 私たちが住みたい都市』
▶ 手つかずの自然はない。代わりにあるのは、手をつけないという人為が帰結する、再帰的な自然に過ぎません。今どき、伝統があるとか、反近代があるとか、近代の超克があると言うのは、馬鹿だけです。
▶ 巷では、近代になると呪術的なものが消えると考えられていますが、そうではありません。人々が呪術的であってもなくても社会が回る。宗教的であってもなくても社会が回る。
▶ 日本では、スローフードやスローライフが有機野菜を食べることだとか、食品のトレーサビリティの確保だと勘違いされています。そうでなく過剰流動性を拒んで文化やライフスタイルを護持する運動なんですね。
▶ 過剰流動性を容認すると、米国巨大資本によって社会はどこも地均しされ、人も物も入れ替え可能化します。だから諸外国は米国を強く警戒します。
▶ 遺伝子組換作物を、欧州ばかりかアフリカ諸国までもが拒絶するのはなぜか。「有毒だから」は完全に勘違い。「社会に有毒だから」です。アメリカ巨大資本に食料供給の根幹を握られるのを抑止するためなのです。
▶ 社会システムが回るために「市民」が必要なくなるのです。ディシプリンによって主体化された存在が要らなくなるのです。人間学的に陶冶された存在は必要なくなるということです。
〜 Twitter 宮台真司bot